六義園は、数ある大名庭園の遺構の中でも代表的な存在で、小石川後楽園と並び江戸の二大庭園と呼ばれたという。
造園者の柳沢吉保は、徳川綱吉の側用人として、当時、最高の権勢を誇っていた人物で、
時代劇においては、生類憐みの令や忠臣蔵などに絡めての悪役としても定番だ。
しかし、少なくても引き際を間違えなかった吉保は、
この手の人物にありがちな政権交代に伴う没落の憂き目と言う事態は回避している。
この六義園も柳沢家の別荘として存続していたようだ。
その後、明治期には、三菱のドン岩崎弥太郎が所有するところとなり、
そして、現在は、東京都所管の庭園となっている。
≪Chapter of Komagome lineup≫
白山神社→本念寺→
浄土寺→小石川植物園→
円乗寺→
大円寺→駒込土物店跡→
龍光寺→
目赤不動→洞泉寺→
吉祥寺→
天祖神社→
駒込名主屋敷→富士神社→
江岸寺→六義園→妙義神社→
染井稲荷神社→西福寺
旧古河庭園
桜のシーズンには、もの凄い数の江戸庶民(推定)が押し寄せる。
入り口付近の、この“しだれ桜"が名物なのだが、逆に言えば桜の見所はこれだけ・・・
園内の至る所に「六義園六十八景」の立て札が立っている。
池を正面に見るこのあたりは「玉藻の磯」だとか。
池の中央には「中の島」が浮かび「妹山・背山」という築山がある。
眼を左に転じる。手前に見える石にも「蓬莱島」なんて名前が付いている。
対岸に見えるのは、吹上茶屋で、実際に営業している。
(左)日本庭園には茶室も定番。「心泉亭」だとか。
(右)土橋の一つ「千鳥橋」。
「滝見茶屋」と名付けられた四阿がある。
付近に滝と言うほどのものは見あたらないが、岩の間から水が出ている感じに見える。
現代の江戸庶民がくつろぐスポット「吹上茶屋」。
池の対岸は入り口方面。
(左)明治期に岩崎家が、つつじの古木材で建てたと言う「つつじ茶屋」。
(右)趣のある土橋「山陰橋」。
標高35mらしい「藤代峠」からの眺望。
(左)石橋の渡月橋。
(右)渡月橋から定番の錦鯉を眺める。
(左)川の流れに沿ってを歩く。
(右)この直線は江戸時代の馬場の遺構だという「千里場」。
(左)「中の島」との間に架かる「田鶴橋」。ただ、「中の島」には渡れない。
(右)「中の島」の築山「妹山・背山」。